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ほぼ^^;デイリースポーツ
このコーナーは、KNBのスポーツキャスターが交代でスポーツ関連コラムをお届けします。
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ワールドカップと うぬぼれ


日本代表 本田圭佑選手の高校時代(黄10)
2003年 北信越国体で水橋に圧勝
競り合う水橋の菊池啓介選手(名前が同じ)

日本代表 岡崎慎司選手の高校時代(1年生)
2002年 滝川第二高校取材時に撮影

2002 FIFAワールドカップ
クロアチア 対 メキシコ 戦を観戦
新潟市 ビッグスワンにて
 2010FIFAワールドカップで世界の16強入りを果たした日本代表の活躍には日本中が熱狂し、私も大きな感動を貰いました。大会はいよいよ世界一を決める頂上決戦を迎えますが、日本代表が敗れた今、どこかその熱も一段落したというのが本音でしょう。

 そこで私は日本代表の活躍の余韻に浸ろうと、昔取った杵柄、過去の取材ノートや写真データを紐解いてみました。そこには、1999年度に高校選手権準決勝で、松井大輔選手率いる鹿児島実業、翌2000年度に大久保嘉人選手率いる国見高校に挑んだ、富山第一高校の戦いぶりや、2003年の北信越国体で、当時2年生の本田圭佑選手に容赦なく攻められた水橋高校の記録などが残っていました。

 写真はその本田選手と、兵庫の滝川第二高校時代の岡崎慎司選手のもの。岡崎選手は、私が初めて高校選手権中継で上位カード担当となった年に取材した選手なので、1年生ながら強烈に憶えています。皮肉な事にこの両者は、第83回全国高校サッカー選手権大会の初戦・2回戦でキャプテン同士として対戦する運命となり、点の取り合いを制した本田選手の星稜が4−3で岡崎選手の滝川第二を下しました。

 そんな懐かしい記憶を胸に、私は今の日本代表の南アフリカでの活躍をテレビで応援していました。戦術、選手起用、審判の判定など、テレビ画面に向かって素人なりに、ああだこうだと言いながら見るのはとても楽しかったのですが、日本代表の4試合が終わって、私の胸の中には自分への人生訓のようなモノが残りました。

 それは、「プライドを捨てる勇気」でした。日本代表の選手はこの時点で間違いなく日本で一番優れたサッカー選手でしたが、世界の舞台に出た途端、必ずしもトップクラスのサッカーエリートとは言われません。そこでプライドをかなぐり捨てた日本代表は、まるでハエがたかるかのようなガムシャラさで相手の選手やボールにアタックし、力ずくで活路を見出していたように見えました。

 社会人になったばかりの自分を思い出すと、根拠の無い自信にうぬぼれ、周りの大人を尊敬しようとせず突っ張っていたように思います。それが、何かのきっかけでつっかえが外れ、気取り無く振る舞えるようになった途端、会社や地域に溶け込めたような記憶があります。レベルは全然違いますが、プライドを捨てる勇気を持った瞬間に、人は少し成長するのかもしれません。日本代表のガムシャラさを見て、私は改めてそれに気付きました。

 ところが、友人から届いた一通のメールに、またしても自分のうぬぼれを感じさせられたのです。世界の人達がスタンドや街角で応援をしている姿や、勝敗に一喜一憂している選手たちの姿が、サッカーにはあまり詳しくない20代の女性の心に、こんな風に写ったというのです。

 「多くの国民を感無量にする事ができたサムライジャパン。スポーツって本当に素晴らしいですよね。世界中の人達が同じ方向を向いて、同じように泣いたり笑ったりして感動を分かち合っています。インターネットが発達し、文字だけのつながりが多くなってきている世の中で、こうして人々が手を取り合って同じ目標に向かって歩んでいる姿は美しいです。こういうつながりを何百年経っても大切にし続ける地球であって欲しいです」と。

 私には全く思いつかなかった視点であり感覚でした。スポーツ取材を長く続けてきた経歴を背負い、宿題のようにW杯の試合から何らかの「収穫」を得ようという目線で試合を眺めていた自分が、とても小さく思えました。

 サッカーに限らず、私はスポーツの楽しみ方には5つの要素があると思っています。プレーする事、応援する事、支える事、語る事、そして悟る事。先に書いた4つの要素で満足していた自分に、5番目の要素・悟る事を教えてくれた友人に、今感謝しています。

 「サッカーは子供を大人に、大人を紳士にしてくれる」 サッカー界の格言と言われるその言葉は、私にとって、うぬぼれに目覚め、捨て去る事で成長して行きなさいと諭してくれたのではないだろうか、と感じた2010年大会でした。


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