
2002年10月24日
〜秋の国体陸上最終日
残念、各選手入賞に届かず
次への闘志、「尖った」感情〜

1m65を跳んで12位
成年女子走り高跳び
川井 未央 選手(杉原中教員)

合計6本跳んで成功は1回
1m65を成功した跳躍

大きくしなやかなジャンプは健在
頑張れ!川井先生!!

成年男子5000m決勝
10周過ぎまでは3位をキープ
10位 西村 哲生 選手(YKK)

県選手団全員で大声援を送る
第2曲走路付近(走者:西村)

ラスト1周で集団からは離れた
残り400m 第1コーナー付近

ゴール後立てなくなった選手
勝てなくても姿勢を感じる目が・・。
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よさこい高知国体は、きょうで陸上競技が終了しました。最終日のきょう出場した県勢は3人。いずれの選手も健闘を見せましたが、惜しくも入賞には届かず、国体独特の価値観でもある、「天皇杯得点」は、無得点でした。
きょう注目されたのは、平成6年の富山インターハイで、県勢初の金メダルをもたらした、川井未央(みお)選手(当時:龍谷富山高校)の、成年女子走り高跳びでした。
私が、当時入社3年目で、初めて本格的なスポーツ番組を担当したのが、平成6年の富山インターハイ。夕方に特別番組を30分間放送していた時、その初日の夕方に、「川井優勝!県勢初!中継車を陸上競技上へ!!」と、急遽喜びの表情を番組で放送したのを、鮮明に覚えています。
そんな高鳴りをどこかに感じながら、午前9時半からの競技を取材しました。前日に少し話しをしたところ、「調整は充分ではないかも」と、少し不安をこぼしていた川井選手でしたが、ジャンプの姿を見て、当時の大きくてしなやかなジャンプの面影は、はっきり感じられました。
しかし、ここは成年女子の戦い。トップクラスは1m90を越えてくる中で、スタートの1m65を3回目でようやく成功させた川井選手には、入賞は、少し遠く感じられました。上位に名を連ねる選手の所属を見ると、専任のコーチがいるような陸上部所属の選手が目に付きます。
川井選手は、競技者であると同時に、八尾町の杉原中学1年生の担任という、もうひとつの大事な任務があります。本人は「言い訳にしたくない」と思うかもしれませんが、全国の舞台で称えられるには、それなりに自分を高め、追いこむトレーニングの期間が必要だったのかもしれません。
龍谷富山高校を卒業後、筑波大学で学び、こうして富山に戻ってきたビッグネームは、必ずや次のアスリート達へ、大きな影響を与えてくれると信じています。取材を終えた今、勝敗を越えて川井選手には、何故か期待を持ちたくなりました。頑張れ!川井先生!!
さて、県勢出場の最後の種目となったのが、成年男子5000m決勝。ここに11人の選手が出場した中、YKKの西村哲生選手が出場しました。エントリーは12人でしたが、その中で、「資格記録」が9番目という微妙なタイムでレースに臨みました。
この資格記録と言うのは、今国体への代表選考レースでの記録であって、自己ベストタイムではありません。したがって、資格記録だけでは予めレースを読むことは出来ないわけですね。
で、スタートすると、西村選手は前から3番目。中々の好位置につけて10周を周りました。5000mは、400mのトラックを12周と半分周ります。すなわち、残り3周というところまでは、「入賞(8位以内)か!」と、周りを期待させました。
それを後押しする様に、第2曲走路(第3コーナーと第4コーナーの間)のスタンド最前列には、緑のウィンドブレーカーを着た富山県選手が、応援団を結成して、トラックを周る西村選手に声をかけていました。
砲丸投げで優勝した任嵐選手も、400mハードルで入賞した加野顕選手も。監督も、コーチも、みんなで声を揃えて、張り上げて応援する姿に、対面に居た私も、熱くなりました。
西村選手の結果は、残念な事に11人中10位。このレースは、地元高知県の選手が、残り一周でスパートし、割れんばかりの大声援の中、両手でVサインをしながらゴールしていきました。4日間、毎日ここ、春野総合運動公園に通いましたが、一番盛り上がったシーンでした。
その大歓声が返って悔しさを増したのか、レース後の西村選手は悔しさいっぱいの表情。「自分の記録も伸ばしたかったので、早いペースは歓迎していたんですが、ついていけなくなった自分が悔しい。練習不足ですね。駅伝に向けて、もう一度鍛えます」と話し、小さく一つ頭を下げていきました。
悔しさ一杯の選手に話しを聞くのは、ものすごく辛い仕事ではあります。でも、悔しさの向こうに、誰もが何かを持っているものです。言い訳なのか、次なる野望なのか。はたまた自分への憤りばかりなのか?接した瞬間に、そうした「尖った」感情を見つけた選手には、不思議と惹かれるものなんですね。
陸上レポート、締めくくりの写真は、敢えて県勢ではないものを選びました。彼女は、少年女子5000m競歩でビリから2番目になった岩手の選手。ゴール直後に足がもつれて倒れこみ、自分より後からは、もう選手が来ないと分かっていたので、立ちあがりませんでした。
でも、補助員の起こされた時に見せたこの悔しそうな表情は、ファインダーの中に、私は瞬間的に「尖った」感情を見つけました。今回33得点で33位と言う成績を残した県勢。この中では数えられていない、非入賞者の心に、どれだけ「尖った」感情があるのでしょうか?そこに期待をしたいと思っています。
木下は明日、一旦富山に戻って高校サッカーの取材。そして来週月曜日から、三たび高知に来て、秋季大会のレポートを続けます。スポーツの秋は、私にとって、サバイバルの秋ですね。
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