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第6回 エピローグ−作詞者と「立山」−
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これまで、富山県の小学校校歌と「立山」のかかわりについて、いろいろな角度から見てきました。 回を重ねる毎に多くの方々のいろいろな「立山」へのイメージ、またかかわり、様々な校歌への思いが見えてきました。 いよいよ最終章は、県下小学校校歌の生みの親でもある作詞者について調べ、「立山」とのかかわりを探ってみました。 |
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富山県内小学校234校の校歌の作詞者と「立山」の関係について調べてみました。 まず、県下小学校校歌の作詞者ランキングと「立山」についての関係を見てみます。(但し現在存在する小学校校歌の作詞者のみを対象とします。) 県下の小学校校歌234校の作詩には、小学校としての作詩や小学校PTAとしての作詩、作詞者不祥を除き、126人の方が携わっています。 |
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大島文雄 (1902-1991) 富山市岩瀬生まれ。旧制富山高等学校、富山大学、富山女子短期大学、富山医科薬科大学など、60年の長きにわたり教育の任に就き、将来を担う幾多の人材を育成したスーパーマン。 富山県の芸術・文化にもひろく熱心な活躍を続け、その間多くの著作もあります。 一方、校歌に関しては、富山県下の大学・高校・中学校・小学校・その他など、なんと100校あまりも作詞しています。驚異の数ですよね。その中でも小学校校歌が一番多く、49校。 但し、この数および右下の表の数は、作詩した数。統廃合や廃校等により現在は存続していない学校もあり、従って今では歌われていない校歌も含まれています。 大島氏は校歌作成の依頼をうけると、まず現地まで足を運び、その学校を取り巻く自然環境を身をもって知り、感じ取ってから作詩作業に入ったということです。 100校イコール100ヶ所の現地に足を運んだことになります。基本とはいえ、その姿勢はすばらしいことですよね。 |
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ここに大島氏の随筆集の一説を紹介します。校歌を作詩するにあたり、「私が何よりも大事に思ったものは郷土の自然風土である。私はこの郷土に生まれ、育ち、生活をしてきた。その越中の自然の、根深さ、力強さ。 私はそれに抱かれそれに打たれてきた。この感動をいくらかでも表現してみたいと思った。それは、私の力に余るものではある。 だが、郷土の私が作るとなれば、それが私の死命のようにおもわれてくる。」(大島文雄著随筆集「萩咲きぬ」より) 大島氏の作詩基本姿勢は郷土の自然風土を表現し歌い込むことなのです。 全国的に有名な方で、例えばサトウハチロー氏と西条八十氏。共に東京生まれ。サトウ氏は富山市五番町小学校校歌、西条氏は高岡市国吉小学校校歌の作詩をしています。2校とも歌詞の中に「立山」は歌われていません。 一般的に校歌には思想的や教育的な内容が多く歌い込まれるようです。校歌を調べただけの判断では判りかねるのですが、大島氏が校歌を作るときに重点としていた郷土への思いと言う部分で何かが違うのかもしれません。 |
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では、大島氏が「立山」を校歌に歌い込まなかった4校についてみてみます。まず、高岡市で見てみると、校歌を作詩した学校は6校。「立山」が歌い込まれていないのは、万葉小学校と博労小学校の2校。共に「立山」ではなく、万葉集で有名な「二上山」が歌われています。学校の位置関係を確認してみると、やはり2校とも「二上山」のふもとです。 あとの2校は八尾町。下笹原小学校と野積小学校。下笹原小学校は近くの「夫婦山」、野積小学校は「山」と歌われています。共に山間部の学校で、位置的に「立山」は見えません。 なるほど、学校を取り巻く自然環境をしっかり把握した上での作詩ということが実証されています。 大島氏は立山に登り、山の霊気を浴びて「立山の荘厳は郷土の光」と深く感銘したということです。郷土の自然を深く愛し、その代表である「立山」が大島氏の作詩した校歌の約9割に歌い込まれているというのも当然のことだったのです。
大島氏は校歌づくりの喜びについて、 「校歌づくりは歌詞が下手でも、おもいを込めて作っただけに、若い人たちがうたってくれるのを聞くことは嬉しいものです。特に小学校の校歌を作るのはなかなかむつかしいものですが、披露式に子供達が講堂一杯にわたり一生懸命にうたうのは、感動して涙ぐむこともありました。 何といっても小さな子供の魂はきれいですから、それが本気になってうたってくれることは貴いことと思います。校歌を作る喜びというものは、皆さんがうたってくれるのを聞くことにあると思っています。(大島文雄先生追想録より)」と書いています。 今回の作詞から見た「立山」とのかかわりでは、郷土富山を深く愛する思い、つまりすばらしい自然風土があって校歌が誕生し、それが歌い続けられていくという視点。 これは前回でご紹介したの光陽小学校校歌作詞者の宮田滋子さんが作詩に込めた「そこに生きて学ぶ幸せを、永遠にありつづける山河とともに歌いつづけられるように」という思いと同じです。 立山View-in校歌では小学校のみをターゲットとしてみてきましたが、「立山」が歌い込まれているのは小学校校歌ばかりでなく、中学校・高校・専門学校・大学の校歌、社歌、県歌など他にもたくさんあります。 校歌は想いを伝えるパイプライン。このパイプ(校歌)によって、何歳になっても口ずさむ度にあの頃にタイムスリップし、色々な思い出が懐かしく蘇ります。 美しい自然に恵まれたふるさと富山に感謝し、今までも、そしてこれからも私たちは、歌い続けていくでしょう、ふるさとの誇り「立山」を・・・。 |
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